2015年11月27日

【島原純豊の意地、鍋島直茂の豪胆】

 
 天正6年、有馬氏と同時に島原氏も、龍造寺氏に従属を申し出ます。

しかし中々約束通りに島原氏が人質を出さないため、鍋島直茂
(この頃は鍋島信生と名乗っていますが、便宜上直茂で統一します)は自ら島原城へ、交渉へ向かいます。

迎えた島原純豊は大幕を張り、左右に兵を2・3百並べて直茂と対面。明らかな威嚇。
一触即発の危険な状況。直茂は人質を求めますが、純豊は返答せず。


直茂の命が危うい状況に、堪らず水町信定(直茂家臣)が大幕を打ち上げ乱入。
眼を見出し拳を握り、座敷に憮然と座ります。

これに倣って直茂のお供衆100余が幕際にどっと押し寄り、勇気を見せながら一面に座り込む。

一連の光景を見ていた純豊、表情を和やかに崩し、初めて返答。息子を人質に渡す事になりました。


この話を聴き、龍造寺隆信公は大いに感動。

(直茂公譜考補ニより)


――
絵になる話ですね。島原純豊が見せた武将の意地も天晴です。

posted by 主宰 at 01:19| 佐賀 ☔| Comment(0) | 佐賀戦国研究会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月23日

『しんがりの思想』

今年も暮れてまいりましたね。
一寸、色々と振り返って、

今年2015年元旦の佐賀新聞、第三部 テーマ特集 P4ー5 「戦後から紡ぐ未来」より以下引用:

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<哲学者 鷲田 清一 + 社会学者 大澤 真幸 対談>

鷲田『右肩上がりで突き進んできた戦後のライフスタイルから撤退する。その際の縮小、廃止、断念の痛みが立場の弱い人に偏らないように目配りし、セーフティーネットを整える、そんな「我慢の工夫」が大事になる。いわば退却戦の最後尾で仲間の安全を守る。それを僕は「しんがりの思想」と呼んでいます。』

大澤『考えてみれば、人口減少も財政の問題も、これからの世界がいや応なく取り組まなければいけない構造的な課題です。拡大、成長を前提に考えると苦しいけれど、発想を逆転させれば、しんがりはトップランナーでもある。未来に向けて日本がどのように積極的なスタンスをとるのか、戦後70年が大きな試金石になりそうです。』

―――
しんがりの思想、良いですね。
歴史に学ぶもの、または歴史を学ぶものとして、鼓舞されるものがある。

戦国時代、龍造寺鍋島軍の殿(しんがり)といえば、鍋島直茂の兄、信房でした。主要な大合戦で必ず全軍の殿に任じられた彼は、ともすれば弟の藩政確立を支えたトップランナーであったかもしれない。
未来に向けて直茂がどのようなスタンスを取るのか、今後の情勢を見据えて、軍事面政治面で試金石的な働きをしたのかもしれません。鍋島藩政の確立後、直茂はこの様なを言っている。「家中でもめたとしても、兄豊前守(信房)に対しては謙譲せよ、兄の意向を立て、蔑ろにしない事。」


しんがりの話から、つい戦国談義になってしまいましたが、
また来年も「背船の陣」を布き、無理せず頑張りたいと思います。

posted by 主宰 at 19:38| 佐賀 ☔| Comment(0) | ■歴史から何を学ぶか (論評集) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【鍋島直茂、花の美を語る】



ある時、多布施の隠居所にて薄色の牡丹の花を生けられた。

一日館内に置かれて居たが、出仕して来た者で特にこの花の美を言う者は無かった。

そんな時、直茂公は、家臣へ「花の見事なる理由を存じているか。」と問うた。

特に言及する家臣もなく「ただ、花は見事に御座いますな」という月並みの返答。

この一幕に、直茂公は、納得されぬ御様子で

「諸々の良さを見よ。例えば金銀的な値段、例えば花を生けた者の苦労造作。それらは皆、心に残るものだ。」

「花は左様なことには構わず、五色に色づくことに専心し、色香ひとすじの道である。それは綺麗なものだ。花の見事なる所は、多分にこの点だ。花も、生長して花を咲かせるには、苦労する。拝見するには、その苦労は思わず、綺麗なる事ばかりだ。」

「それについて思えば、戦などは、国郡の望みばかりに専心し、実体知らず、無理に欲に耽るのは悪しき事だ。ただ名を惜しみ御家を守り、続かせるための合戦は、仕損じても子孫の心に、必ず残る。」

と仰せになられた。



高伝寺住職にて世に名の知れた禅僧、普鉄和尚が、後でこの話を聞き、

「直茂公は、さては、悟りの領域の人で在られる」と仰った。

後日、和尚は直茂公にお会いした際、この事に触れて語られた。



//  直茂公譜考補附録十一、御壁書并御物語【一】 簡潔訳
posted by 主宰 at 03:10| 佐賀 ☔| Comment(0) | ■歴史から何を学ぶか (論評集) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする